センター所長あいさつ

長崎県埋蔵文化財センターは、国特別史跡「原の辻遺跡」を望む丘の上に平成22年3月14日に併設する壱岐市立一支国博物館と共にオープンしました。

全国的にも珍しい「離島の埋文センター」として特色ある取り組みを展開し、これまで県内外、国外からも多くの来訪者(観光客、考古学ファン、児童・生徒・学生、自治体の文化財専門職、大学研究者等)をお迎えしています。

近年の取り組みとしては、海に囲まれた長崎県の特徴を捉えて「水中遺跡」についての基礎的な調査を継続して行っています。また、東アジア的な視点から原の辻遺跡を解明するため、韓国や対馬における発掘成果と比較しながら調査研究を進めています。さらに、地元の長崎県立壱岐高等学校の東アジア歴史・中国語コースの授業支援など地域や学校との連携も行っています。

一般的に「埋文センター」と言えば、出土した考古資料を洗って復元し、収蔵庫に保管するという、どちらかと言えば閉じたイメージがあるかもしれません。当センターは、そうしたことに加えて精密機器を使って遺物を分析し、劣化を防ぐための保存処理を行うなど様々な作業を行っています。「バックヤードツアー」に参加すると、そのプロセスを身近に理解することができます。また、これまで出土した数多くの遺物の収蔵状況を巨大なガラス越しにみることができ、テーマを設けて企画展示も行うなど、開かれた「埋文センター」であるように努めているところです。

全国で行われている発掘調査は、開発工事に伴い、やむを得ず記録保存として行われている例がほとんどで、長崎県も例外ではありません。そのような中で、当センターは、地域の文化資源として発掘成果を積極的に情報発信し、教育資源としても活用を図っていきたいと考えています。ご支援とご協力をよろしくお願いいたします。

令和8年4月 長崎県埋蔵文化財センター所長 川口洋平